グーグル社員も長友選手も行う集中力を高める方法
ヨガや瞑想と聞いて、宗教的なものを感じる人もいるかもしれません。
しかし、近年の科学で扱われているヨガや瞑想では、宗教色を排除し、その効果やメカニズムを明らかにしています。
ヨガや瞑想による効果は、不安を低減や集中力を向上させるとも言われています。
そのため、世界的企業であるグーグルやプロサッカー選手の長友選手もヨガや瞑想を行っているようです。
そこで、本記事ではヨガや瞑想を行うことで集中力や意思決定能力が高まる仕組みについて書いていきます。
10秒だけヨガや瞑想について復習…
本題に入る前に少し復習です。
ヨガや瞑想の多くは呼吸に集中することが要求されることが多いですね。その理由は、現在の瞬間に注意を向けるためです。(マインドフルネスを行うため)
詳しくはこの記事で確認くださいね。
↓不安や心配しすぎてしまう仕組みと呼吸に集中する意味について
さて、本題に戻ります。
ヨガや瞑想を継続的に行うことで、脳の構造が変化していくということが、最近の研究で明らかになってきました。
その脳の領域は
- 記憶と関連する部位(海馬)
- 判断や意思決定、創造性等と関連する部位(前頭葉)
- 不安、恐怖、怒りと関連する部位(偏桃体)
等があります。(*ほかにも変化する部位はありますがここでは省略してます)
そして、今回取り上げるのは集中力や意思決定にかかわる前葉用という部分です。
前頭葉は人間と他の動物とで最も異なる部位であり、一番発達した部位です。かなりざっくりいうと、理性的な側面と深く関与するところです。
脳の中の指令塔みたいなイメージだとわかりやすいかもしれません。こんな感じ↓
ヨガや瞑想(マインドフルネストレーニング)を継続的に行うことはこの脳内の指令塔(実行注意)が優秀になっていくイメージです。
では、なぜヨガや瞑想をすることによって脳の指令塔は優秀になっていくのかについてです。
瞑想で脳の指令塔が進化する仕組み
以前の記事でも紹介したように、人は絶えずいろんなことを考えています。
目の前のことに集中しているように見えて、実は他のことを考えていたりします。
例えばこんな経験をしたことはないしょうか?
自分にとって重要な試験を3日後に控えており、なんだか落ち着かない。
仕事でミスをしてしまい、わかっているけどもなかなか切り替えられない。
結婚まで考えていた人と別れてしまい、何をやってもどこかうわの空。
そんな状態の時は目の前のことに集中することが難しいですよね?
これは頭のどこかで自分の中で未解決の問題がチラついていて、脳のエネルギーを絶えず消費してしまっている状態です。
言い換えると、目の前の課題に対して100%脳を活用できていないのですね。
ところが、ヨガや瞑想(マインドフルネストレーニング)を継続的に行うことで、頭の中にチラついている情報に対して、
いったんそのことは横に置く、という能力が高まる傾向があると言われています。
つまり、脳の情報の整理がうまくなるのですね。
その結果、今、やるべきことに対してのみ注意を注ぐことが上手になるのです。
因みに、注意を目の前の課題に注ぎ続け、それを維持することを集中力と言います。
ここまでのまとめ。
人は絶えずいろんなことを考えている
ヨガや瞑想は、意図的に雑念や自分の思考をコントロールする注意の訓練の側面がある。
これを続けると、脳の指令塔(前頭葉)が優秀になる傾向あり
最後に、ヨガや瞑想を行っている実際の例をご紹介します。
長友選手の場合
サッカーの世界において、世界で活躍をしている長友選手。
彼も瞑想を継続的に行っているよです。
スポーツ心理学の研究でも、徐々に瞑想とパフォーマンスの関係が明らかになってきています。
大学を代表とするトップアスリート(テニスやラグビー等)に対して、
瞑想を継続的に(8週間)実施してもらった介入研究では、実施前と実施後ではプレーの質が向上したという事例もあります。
その理由として、
- 「うまくできなかったらどうしよう」という不安が軽減
- 周りからの評価を心配の軽減
- 悲観的な考えの軽減
などが言われています。
長友選手も自身の著書で集中力の向上や雑念からの解放を体感していると言っています、
グーグル
また、世界を代表する企業であるグーグルもマインドフルネスを実施しているようです。
その目的は
自己調整能力が高めること。
情動知能を高めること
などがあるようです。
まとめ
人は絶えずいろんなことを考えている
ヨガや瞑想は、意図的に雑念や自分の思考をコントロールする注意の訓練の側面がある
これを続けると、脳の指令塔(前頭葉)が優秀になる。
参考文献
本
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
グーグルのマインドフルネス革命―グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス(付録:マインドフルネス実践ガイドCD)
世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
長友佑都のヨガ友(トモ) ココロとカラダを変える新感覚トレーニング
論文
Aherne, C. Moran, A. P & Lonsdale, C (2011). The Effect of Mindfulness Training on Athletes’
Flow: Am Initial Investigation. The Sport Psychologist, 25, 177-189.
Rueda, M. R., Posner, M. I., & Rothbart, M. K. (2004). Attentional control and self-regulation.
In R. F. Baumeister & K. D. Vohs (Eds.), Handbook of selfregulation: Research, theory, and
applications (pp. 283–300). New York: Guilford Press.
Scott-Hamilton, J. Schutte, N. S & Brown, R. F. (2016). Effects of a Mindfulness Intervention on
Sports-Anxiety, Pessimism, and Flow in Competitive Cyclists. Applied Psychology: Health
and Well-being, 8, 85-103.