3分で分かるストレスの仕組みと自分でできる簡単対策2選
本記事ではこれまでの書いてきたストレスに関する心理学の内容の復習を超簡潔に書いていきます。
必要以上にストレスを避けようとするほど、ストレスに弱くなる傾向もあると言われています。しかし、実はストレスについてふわっとしか知らない。。。本記事ではそんなストレスについて3分程度で理解できるストレスに関することをご紹介。
これまでの記事を読んで頂いている方は、復習としても使えると思います。
単語や絵を見た時にすぐに言いたいことが先読みできるような状態だとばっちりですね!
ストレスに関する基礎知識
心理学の観点では、人がストレスを感じるためにはこんな感じのプロセスを瞬時に行っていると言われています。
そして、ストレスを感じると、ストレス反応の1種である闘争―逃走反応が起こるといわれています。
これは読んで字のごとく、戦うか逃げるための準備をする反応です。
そして、闘争―逃走反応が起きているときには、体は戦うor逃げるための最適な状態を作り出します。
その過程で、主にコルチゾール、アドレナリン等のホルモンを分泌します。
また、闘争―逃走反応が起きているときは当たり前のですが、リラックス状態とはかけ離れています。
つまり、交感神経系が優位になっている状態ですね。
そして、このホルモンが過剰に分泌されると心身ともによくない状態になってしまうといわれています。
というのも、既に図にあるように交感神経系が優位であり、アドレナリンやコルチゾールが過剰分泌されるとこのような身体反応が絶えず生じていることを意味するからです。
では、どのような対処手段があるのか?
ストレスと上手に付き合う方法2選
一つは、ストレス(身体的健康や心理的幸福感を脅かすと知覚された出来事)に対する、自分の認知の仕方は適切であるかを確認するという方法です。
具体的には、
必要以上にストレスとなりうる出来事を大げさにとらえていないか?
現実的に考えて、その出来事は本当に不安や恐怖を与える可能性が高いのか?
その出来事は延々と続くのか?
のように客観的に、破局的にならないように出来事をとらえなおすという方法です
ざっくりいうと、一度立ち止まり、ストレスとなり得る出来事を再度認識し直すということですね。
2つ目は、脳を効果的に休めつつ、脳を鍛える方法です。
実は、人は絶えずいろんなことを考えているといわれています。
お風呂に入っているとき、最寄駅から帰宅しているとき等、実は常に脳はいろんなことを考えています。
そして、高いレベルのストレスを感じ、不安や心配が絶えず頭から離れず、グルグルと不安事や心配事に頭を使うことを反芻思考といいましたね。
この状態のとき、脳内では先ほど登場した、コルチゾール等のストレスホルモンが分泌され続けています。さらに、脳の状態と整えるホルモン(セロトニン)の吸収や分泌量が減ってしまい、悪循環生じてしまいます。
そんな状態から抜け出すための方法の一つが科学的で宗教色を排したマインドフルネス瞑想やヨガといわれています。
マインドフルネス瞑想やヨガの基本は呼吸でしたね。
その理由は、
人間の不安や心配や後悔、罪悪感等の感情は基本的に過去やまだ起こっています将来に対する出来事に対して生じます。
呼吸に注意を向けることは、過去や将来ではなく、現在という瞬間に能動的に注意を向けることを意味します。
日常生活で、自動的にいろんなことを考えている私たちにとっては、意図的に何もしない、なにも考えないことに注意を向けることは脳の調子を整えるだけではなく、脳の訓練にもなるといわれています。
以前の記事では脳の司令塔が鍛えられると書いた気がします。
こんなイメージです。
マインドフルネス瞑想やヨガを継続的に行うと
脳の指令塔の機能(実行注意)が向上すると言われています。
脳の指令塔の機能は
- 意思決定や判断力
- 集中力
- 気分の切り替え能力
- 情動知能の向上(心理学的には結果がでたりでなかったり....)
等があると言われています。これらの機能の向上する傾向があるため、プロサッカー選手の長友選手やgoogle社員も積極的に行っているようです。
参考文献
また、マインドフルネス瞑想やヨガを継続的に行うことの他のメリットは、出来事や自分の思考に対して客観的に距離を置くこと能力が高まることです。
それは不安や心配事にとらわれて何もできなくなってしまうという状況から脱し、一歩引いて落ち着きを取り戻しやすくなることを意味します。
こんなイメージ↓
さらに、よほど激しい動きを伴うヨガや瞑想ではない場合、ヨガや瞑想中は基本的にリラックスしている時の神経系(副交感神経系)が優位になるため、身体的にも体を休めることができます。
まとめ
- 人がストレスと感じることは、出来事そのものが原因だけではなくその出来事に対する認知の仕方も大きく影響する
- 逃走―闘争反応が長期にわたって生じ続けると心身に害を与え得る。
- それを解消するためには、認知の仕方を変える、または、出来事から距離を取り客観的にとらえる能力を鍛える。
- その方法の一つとしてはマインドフルネス瞑想やヨガがある。
次回の記事では脳の指令塔(実行注意)を測定する質問紙を記事にする予定です。
現在の自分はどのくらいなのだろうか知りたい人
ヨガや瞑想を継続して行うときの、成果の指針として使いた人、
実際に使われている心理学という学問に触れてみたい人、
などにおすすめです。
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参考文献
書籍
サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法
長友佑都のヨガ友(トモ) ココロとカラダを変える新感覚トレーニング
世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる マインドフルネスストレス低減法
論文
Aherne, C. Moran, A. P & Lonsdale, C (2011). The Effect of Mindfulness Training on Athletes’
Flow: Am Initial Investigation. The Sport Psychologist, 25, 177-189.
Rueda, M. R., Posner, M. I., & Rothbart, M. K. (2004). Attentional control and self-regulation.
In R. F. Baumeister & K. D. Vohs (Eds.), Handbook of selfregulation: Research, theory, and
applications (pp. 283–300). New York: Guilford Press.
Scott-Hamilton, J. Schutte, N. S & Brown, R. F. (2016). Effects of a Mindfulness Intervention on
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Sugiura, Y. (2006). Personality correlates of mindfulness. In M. G. T. Kwee, K. J. Gergen, & F. Koshikawa (Eds.), Horizons in buddhist psychology: Pactice, research & theory. Chagrin Falls, Ohio: Taos Institudte Publications.
杉浦義典 (2008). マインドフルネスにみる情動制御と心理的治療の研究の新しい方向性 感情心理学研究 16(2) 167-177
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