タダで自宅でできるうつ病予防!ヨガや瞑想が心身に良い理由
本記事ではヨガや瞑想がなぜ心や体に良いのかについて科学的な知見からご紹介します。
ヨガをやったことのある方はイメージしやすいかもしれないのですが、ヨガ等のレッスン終了後になぜか頭がすっきりした気がするということを体感したことはありませんか?
その仕組みやヨガや瞑想がもたらすうつ病予防のメカニズムについてご紹介します。
以前の記事で人は実は絶えず未来や過去のことについて自動的に絶えず考えていて、それがどのように人に悪影響をもたらすのか、また、うつ病との関りについてサラッと書きました。
そして、その自動的な思考というのは実は脳の活動の60~80%のエネルギーを消費しているといわれています。
その結果、1日中なにもしていないのなんとなく疲れた。ということが起こるのでしたね。
(このことについてサラッと書いた記事はこれです↓。1分くらいで読めると思います)
ヨガや瞑想とは人が自動的に行ってしまっている未来や過去について考えてしまうことを意図的にやめる作業でもあるのです。
ヨガや瞑想の多くは呼吸に集中することが要求されます。実際にやったことがある人はピンと来るのではないでしょうか?
この呼吸に集中することは、先の予定のこと(未来について考えること)や過去の失敗にとらわれてしまうような自動思考から脱し、
現在の瞬間に注意を向けることと言い換えることができます。
その結果、脳が過剰に自動思考してしまうのを休めることにつながり、エネルギーの無駄遣いを無くしてくれます。
これがヨガや瞑想をすると脳がすっきりとする仕組みの1つです。
ヨガや瞑想を続けるとうつ病になりにくくなる仕組み
なぜ、ヨガや瞑想を続けるとうつ病になりにくくなるのか。
既に書いてきましたが、ヨガや瞑想は現在の瞬間に注意を向けることです。もっといえば、その瞬間に評価を加えないで、ただただ注意を向けることです。
それを実践しやすくするための方法の一つとして、呼吸に注意をむけるというものがあります。
ここで、実際に皆さんに試していただきたいことがあります。本記事を読み終わったあった後でも、暇なときでもいいのですが、
何もしないでただ椅子に座り、何も考えないで呼吸に注意を向けることを3分間でいいので実践してみてください。
すぐに「あ。あれやってなかった」「あとでこれやっとこ」などの未来の出来事や、「あれやったっけな?」「あの時は失敗したな…」等の過去の出来事が頭に浮かぶと思います。
そのたびに、「今はそのことは置いといて、何も考えない。吸ってー、吐いてー」にのみ注意を戻し未来や過去の出来事から現在に注意を引き戻してみてください。
慣れるまではかなり難しいと思います。この実験を通していかに自分が普段いろんなことについて無意識に考えているのかを経験として体感すると、なんとなく読んだこの記事から得られるのもが大きくなると思います。
うつ病の方は日常生活上、高頻度で「あのときこうしてればよかった「私ってなんてダメなんだ」「いつもこう…」「どうせ次も….」と
否定的な思考が自動的に浮かんできています。
その結果、脳の情動にかかわる部位(偏桃体)がその思考に反応して、闘争―逃走反応を引き起こす引き金を引いてしまいます。
闘争―逃走反応やストレスホルモンについてはこちら↓
そして、長期にわたり闘争―逃走反応が続くことで、ストレスホルモン(コルチゾール)が大量に分泌され心身に異常をもたらし、
胃潰瘍等の身体の病気にはじまり。うつ病等の精神的な病気へと発展していきます。
ここで、先ほどのヨガや瞑想が何故いいのかということに戻ります。
すでにご自身で実験してみた方は経験としてもわかると思うのですが、自分の考えや自動的に浮かんでくる思考に気づくこと、そして
一旦その思考から距離をとるトレーニングがヨガや瞑想なのです。
イメージ↓
2か月以上継続して瞑想を続けていくと
こうして自分の思考を客観的に捉えることができるようになり、その考えにいつまでも囚われなくなることで、闘争―逃走反応を抑え、さらに
脳の過剰活動を押さえるようになるため、ヨガや瞑想は心身に好影響をもたらすと言われています。
また、激しい動きではないヨガや瞑想を行うとリラックスしている時に活動する副交感神経系が優位になるともいわれています。
つまり、神経レベルでリラックスできるのですね、
副交感神経についてはこちら↓
実際に科学的な方法に基づく瞑想は今ではうつ病の人に対する治療の一種として広く普及しています。
瞑想自体には薬なども必要なく、自宅でもできるため、他の治療法と並行して行われることが多いようです。
まとめ
- ヨガや瞑想は、現在の瞬間に対して、評価を加えずに注意を向けること
- ↑の意味は、人は自動的にいろんなことを絶えず考えていて、勝手に脳は活動している。
- その結果、脳が休めずにうつ病などの脳機能問題につながる可能性あり。
- 2や3のことを理解した上で、日々ヨガや瞑想を行うことはうつ病予防につながる。
- 自分の思考に囚われないようになること、自分の思考に対して客観的になる訓練がヨガや瞑想
別記事にて、瞑想がもたらす別のメリットについてもご紹介します。
参考文献
本
世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
論文
Sugiura, Y. (2006). Personality correlates of mindfulness. In M. G. T. Kwee, K. J. Gergen, & F. Koshikawa (Eds.), Horizons in buddhist psychology: Pactice, research & theory. Chagrin Falls, Ohio: Taos Institudte Publications.
杉浦義典 (2008). マインドフルネスにみる情動制御と心理的治療の研究の新しい方向性 感情心理学研究 16(2) 167-177